【完】小野くん症候群
ハッキリしたいのです。
君の言葉
「紗和。顔死んでるよ」
「ああ…うん」
「だいじょーぶ?
あんた今朝から変だけど」
「…うん」
昨日のことを思い出して
何だったんだろうと考えて
でも正確には分からなくて。
ただただ胸が締め付けられて
ずっとギュウギュウ苦しい。
「あ、そーいえば。
小野とどうなの?」
「…分かんない」
「紗和? 小野となんかあったの?」
懸念気に顔色を伺う双葉。
私は『なんでもない』と言うと、曖昧に笑って誤魔化した。昨日のはもしかしたら私の行き過ぎた妄想かもしれないし、まだ言わないでおこ。
『内田ー。三組の園井が話あるってー』
「え?」
クラスの男子に呼ばれ首だけ振り向かすと、そこには見慣れない男子が一人、扉の前に立っていた。