【完】小野くん症候群
誰だろう…
見たことあるけど
話したことなんてない。
人違いじゃないかなと思いつつこのクラスに内田は二人もいない。
「なんだろ?」
「えーなになにっ。
なんか告白っぽくない??」
「まっさかー話したことないもん」
そんな小会話もそこそこに済ませ、私は少し小走りに、その人の元へ駆け寄る。
『あー、どうも。
なんかごめんね食事中に』
「や、全然。
え、あれ知り合いでしたっけ」
『いや多分絶対初対面』
あまりにも自然に話しかけられたから錯覚しちゃったじゃん。
『あのさ、ちょっと
話あんだけどいい?』
「あ、うん」
双葉に目で『行ってくる』と合図すると全身全霊のオーラで『後で報告宜しく』なんてのが伝わってくる。
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「あれ、なあ内田見なかった?」
「紗和なら男と消えたけど」
「…あ、そ。ふーん」
「(ちょっと苛めてやろ)
多分あれ告白なんじゃない?
相手の男子顔赤らめてたし」
「へー…は? え、ありえん!」
「分かんないよー。
だって紗和可愛いもん」