【完】小野くん症候群
無邪気に微笑む小野くんに
あたしの心は満たされていく。
小野くん、小野くん。
「小野くん」
「え、あ、はい」
「ぎゅ、ギューってされたいっ」
どもりながらも率直な気持ちを伝えれば小野くんは数秒固まった後、顔全体を真っ赤に染め上げる。
「お前なんなの!」
「あ駄目?!」
「違ぇーよ! 可愛すぎて
ムカつくわバカ野郎!」
どんな罵倒なんだそれは?!?!
疑問を抱いた瞬間、腰に手が回ったと思ったら強く引き寄せられて
ぎゅうううっとこの上ない程に抱きしめられたのだ。
いつも制服から香っていた柔軟剤の香りが私のココロの中に優しく解けていく。
ドキドキ、ドキドキ。