【完】小野くん症候群





『てか、由良ー。
この姉ちゃん、由良の彼女?』



ふと何気なくあたしと小野くんを交互に見ながら質問をしてきた小学生男子。


えええ、そ、それ聞いちゃう!?



「んー? この姉ちゃんか?
この姉ちゃんはな俺の事が好きで好きで好きでしかた…「$#%&¥!」




あまりの突拍子のない言葉に
意味の分からない言葉を発するあたし。


急激にこの場から
逃げ出したくなってしまった。



「ぶはっ、お前顔真っ赤」


「───っ」



ずきゅーん。

なにその笑顔。

え、小野くんって
そんな風にも笑うの?


そんなあどけなく笑う人なの?

学校での小野くんとの違いのギャップに戸惑う反面、あり得ないほど心臓がドキドキした。



「てか、ほんとどウォシュレットマンじゃん。あーもう、ゴーストイエローマンが欲しいわー」



さっきから何を小学生と騒いでるの?

気になってカップのフタを空ける。


……なにこれ。


小さいフィギュア?

ぜ、全然可愛くない。



『由良いっつも
ウォシュレットマン当てんのな』


「やべー、俺内田だけじゃなくウォシュレットマンにも好かれてんのかもな」


「やかましい」




なんていうか、ここでの小野くんって




小学生男子みたい。







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