図書室で、恋。
2.主の正体
目覚まし時計を掛けない土曜日。せっかくたくさん寝られる日に朝から着信音で起こされた。
「んー…」
送り主は以前買ったアパレルショップからのメルマガ。
昨晩サイレントモードにしなかった自分を恨む。
私は「はぁ」とイラついて布団にもぐる。
寝付けたのは朝方だった。
ずっと考えながら寝返りを繰り返す夜、睡魔は全くと言っていいほど来なかった。
「だる…」
睡眠不足のせいか、身体はだるく頭も痛い。
最悪の土曜日だった。
私は何とかして身体を起こす。
もう一気に目が覚めてしまった、多分二度寝は出来ないであろう。
カーテンを開け日の光を浴びる。
今日も相変わらず晴れ渡っている、暑くなるのかな?
夏の暑さのことを考えると、さらに気分が悪くなりそうだったからもうやめた。
私は顔を洗いに洗面所へと向かった。
「ふぅ…」
冷水のおかげで少しはスッキリした頭。
リビングのテーブルにはお母さんからの置手紙があった。
陽彩へ
おはよう、体調は大丈夫?
冷蔵庫に朝ごはんあるから食べなさいね。
少しは食べないと良くならないわよ。
あと食べ終わったら、薬も飲むこと!
3時くらいには帰ると思うけど、何かあったら電話してきていいからね。