恋のカケラ(番外編集)

俺は電話しようと思って携帯を取りだそうとしたが、家に置いてきてしまったことに気付いた。


・・・馬鹿者がっ!!


自分で自分を心の中で怒鳴り、俺は再び走った。


駅前の、噴水前を目指して。







思い違いであってくれ・・・と願いつつ走ったのだが。


噴水が見えてきた時、同時に視界に飛び込んできたのは・・・。


真っ白なコートを着て立っている・・・俺の愛しい人の姿だった。



「結衣・・・っ!!」



「健ちゃ・・・っ」



俺を見ると、可愛い顔が泣き出しそうに歪んだ。


その顔を見ると俺も泣きそうになって・・・。


走ってきて、そのまま・・・人目も気にせずに、抱き締めていた。


ぎゅっと・・・ぎゅっと・・・壊しそうな程。



< 22 / 50 >

この作品をシェア

pagetop