恋のカケラ(番外編集)
俺は電話しようと思って携帯を取りだそうとしたが、家に置いてきてしまったことに気付いた。
・・・馬鹿者がっ!!
自分で自分を心の中で怒鳴り、俺は再び走った。
駅前の、噴水前を目指して。
思い違いであってくれ・・・と願いつつ走ったのだが。
噴水が見えてきた時、同時に視界に飛び込んできたのは・・・。
真っ白なコートを着て立っている・・・俺の愛しい人の姿だった。
「結衣・・・っ!!」
「健ちゃ・・・っ」
俺を見ると、可愛い顔が泣き出しそうに歪んだ。
その顔を見ると俺も泣きそうになって・・・。
走ってきて、そのまま・・・人目も気にせずに、抱き締めていた。
ぎゅっと・・・ぎゅっと・・・壊しそうな程。