恋のカケラ(番外編集)
「こーら、蘭子ちゃん、俺に見惚れてないで!さっさと投げる!」
「べ、別に見惚れてないし!」
・・・嘘だけど。
私は勢いよくボールを構えた。
「蘭子ちゃん、力抜いて?」
耳元で英二君の王子様ボイスが聞こえてきてドキッとした。
背後に英二君が・・・!
「・・・うん、手の角度はこうかな。」
手取り足取り・・・って正にこういうことなんだろう、私の姿勢から手の角度まで、英二君によって調整される。
「このまんま、真っ直ぐ投げるんだ。力任せじゃなく、自然に。」
言われたままに、その姿勢を崩さずに投げてみたら・・・曲がることなくボールは真っ直ぐに転がった。
そして・・・ストライク!
「やった・・・やったー!英二君っすごい!ありがとうっ!!」
実は人生初のストライクにテンション上がってしまって、思わず抱き付いてしまう。