【完】恋のおまじない〜イブの奇跡〜
「あ、家ここです…」
「そ」
「送ってくれて、ありがとうございましたっ」
「別に」
「気をつけて帰って下さいね?」
「ん」
そう言って、クルッと向きを変え、帰っていった。
あれ…もしかして、家すぎちゃってた?
それとも、反対方向…?
どちらにせよ、嬉しすぎる…。
あたしを送るために、遠回りしてくれたなんて。
あたしは南雲くんの姿が見えなくなるまで、ずっと見送り続けた。
胸の奥がキューンとなって、
意味もなく、泣きたくなった。