ワレワレハ宇宙人…ラシイ?!
第三章 接近遭遇?!

えっ?FCを作りたい??!!

ある日、トキさんが突然、「FCを作ろうよ」と言い出した。

今まで入っているFCなどに多大な影響を受けたのか、しかも、我らが「大空魔竜ガイキング」ではなく、当時、放映の始まった「無敵鋼人ダイターン3」というアニメのFCを作ろうというのだ。

嫌いな作品ではなかったが、ガイキング程の思い入れはなかったはずだ。

しかも、私もやトキさんも、漫画やイラストを上手に描ける画力を持ち合わせていない。

今のようにPCを使って編集出来るのであれば、そんなもんはあまり必要ないのかも知れないが、先ずペンで、真っ直ぐ線を引くことから難しい。

FCの運営に関わっている人達は、会長、副会長を含めても、大概は自分で表紙やカット等描いていらっしゃる。

主力になる描き手がいないのだから、当然、反対をした。

知識不足も気になる。

ところが、トキさんは自分で、どんどん話を進め、ある雑誌か何かで、会員までも募集してしまった。

後に引けなくなる。

そのうち、若気の至りというか、中坊の恐いもの知らずというか、作品を制作しているアニメ会社の総監督の富野喜幸さんに公認して貰おうと、トキさんと私は日本サンライズに手紙を出した。

その前に彼女は一度、その日本サンライズに電話をかけている。

今では考えられないかも知れないが、すぐに、監督御本人が電話口に出た。

話の内容はトキさんが話していたので、覚えてはいない。

「ダイターン3のFCを作りたいのですが?」というので、「どうぞ勝手に作ってくださいな」と感じだったのではないだろうか。

やがて、手紙の返事が富野氏から届く。

世間を知らない、失礼な中坊にお灸を据えたかったのに違いない。

何しろ、トキさんは返信用封筒どころか、返信用切手も同封していなかったのだ。

当然、きついお叱りを受ける。

私達は、必死に謝罪の手紙を書いた。

そんな中坊の拙い文章に、呆れたのかも知れないが、優しい富野氏は、私達のインタビュー内容にはきちんと答えて下さった。

お会いすることはないかも知れないが、今でもその時の非礼はお詫びしたい。

その後も当時の私達は、故、鈴置洋孝氏や水野カコさんなど、ダイターンの声優さんにお会いする幸運を得る。

今は昔、良い時代だった。
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