君が居る世界




徐々に箱のラッピングは取り除かれ、ユウナは緊張した面持ちで降り積もる雪のように真っ白な箱の蓋を開けた。



「うわ~! すっごく綺麗!」


「ユウナ、そういうの好きだろ?」


「うん! 大好き!」


「…っ、」



自分で聞いておきながら、自滅した。



ユウナが言った言葉は俺に対してじゃなくてプレゼントに対して言われたものなのに、まるで俺に言われたみたいにドキドキしてしまう。



でもそれぐらい言葉に喜びが現れていて、プレゼントを用意して良かったと思えた。



きっと赤くなってしまっている頬を制服の短い襟元で必死に隠しながら、箱から中身を慎重に取り出す姿を垣間見た。



箱からユウナの手の中に収まったのは――。



「すごく可愛いね。…この“スノードーム”!」



俺からユウナへの贈り物は、ユウナの小さな手の中ではとても大きく見えた。



店頭で俺が持ったときはすごく小さく見えたのに、なんだか不思議だ。



ユウナが一度それを逆さにして再び手の中に収めると、ドームの中では雪に見立てられた白い粉末とラメがキラキラと舞い降りた。



丸みを帯びたサンタとトナカイのフィギアが真ん中で微笑んでいて、それらに溶けない雪は降り積もっていく。



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