君が居る世界



「何ぶつぶつ言ってんの? …で、結局これは何て読むわけ?」


「え、っと…。これは…」



スノードームの中の文字を指差して尋ね直すと、ユウナは口をもごもごと動かしたあとに黙り込んでしまう。



でも一度深呼吸をすると、揺らがない瞳で俺を見た。



そして何故か真っ赤になった顔で、ユウナは決意したように口を開いた。



「これは…、ア、アイ……“I love you.”って書いてあるの!」



言葉の最後の方は、自棄になった勢いで言ったみたいに早口だった。


でも、ちゃんと聞こえた。



――“I love you.”


それは大切な人に愛を伝える、幸福な言葉。




「…はぁ!? 何だよそれ!」



だけどまさか、そんな言葉が書かれているなんて知らなくて。



予想外な展開に、俺はかなり素っ頓狂な声を響かせてしまった。



プレゼントを受け取ったユウナも恥ずかしそうに俺を見ているけれど、それを送ってしまった俺は倍以上に恥ずかしかった。



穴があったら入りたいっていうのは、まさにこのことだ。



まさか知らないうちに、勝手に告白してしまったなんて…!


絶対に、ありえない!



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