君が居る世界
動悸の音が鳴り止まない静けさの中で、ゆっくりとユウナの顔を見つめた。
ちょっとだけ潤んだ瞳で、恥ずかしそうに笑うユウナ。
怖いぐらい幸せな世界の中で、俺は自分の額をユウナの額にコツンとぶつける。
そしてそのまま、ちょっと戸惑ったユウナの瞳を見て言った。
「――好きだよ。俺も、ユウナのことが」
「ほ、ほんとに…? でもさっき、メッセージのことは知らないって…」
「うん。あれは本当に知らなかった。メッセージを伝えちゃったのも、不本意。
……でも、ユウナが好きって気持ちは本物だ」
情けないほど、声が震えていた。
でもユウナは頷きながら俺の言葉を聞いてくれたから、それだけで嬉しい。
顔を間近に寄せあっていると、二人の吐息が何度も重なり合った。
そして見つめ合っていると、自然と唇も重なった。
お互いずっと前から、この瞬間を待ち望んでいたように……。
「な、なんかものすごく恥ずかしい…」
「……俺も」
ぬくもりが離れて目を開くと、二人とも見たことないぐらい恥ずかしそうな顔をしていた。
それを見て、自然と笑いが溢れる。