君が居る世界



「……そうだ。俺からのプレゼントも渡すよ」


「え、くれるの?」


「当たり前じゃん!」



二人とも同じように反応していることが面白くて、エナメルバッグからプレゼントを取り出す途中で笑ってしまう。



ユウナも「何笑ってんの」とか言いつつ自分も笑っていて、お互い顔を見合わせると一緒に笑った。



静寂な住宅街の中には陽気な笑い声が広がり、雪は穏やかに降り続ける。




「――…はい、メリークリスマス」



笑いと寒さのせいで手元が震える中で、プレゼントを取り出した。



サンタの絵柄がプリントされているラッピングペーパーを纏った正方形に近い形の箱を、ユウナは食い入るように見つめた。



片手でちょっとぶっきらぼうに渡すと、ユウナは両手で愛しそうにそれを受け取る。



「うわー! 何だろう? ね、開けてもいい?」


「どうぞ」



ユウナが慎重にラッピングペーパーを剥がしていると、箱の中で中身が動いてコトコトと小さな音がした。



中身を想像しているユウナも楽しそうだけど、そんなユウナの姿を見ている俺の方がもっと楽しそうに見えたと思う。



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