My new boyfriend【短編】
彩名の突然の提案で、同じクラスの子ばかり数人でカラオケに行くことになった。
カラオケは、私や彩名の帰りのことを考えて、隣街の駅前のカラオケ店に決まった。
これで彩名や私は帰りがだいぶ楽になる。
こんなちょっとした気遣いができるうちのクラスの男子のことが、なんだかちょっと誇らしくなる。
なのに、どうしてか、今日集まった男子メンバーはみんな、現在フリーだ。
とは言っても、ついこの間まで彼女がいた人もいるけれど。
でも高木くんとか、イケメンだし、彼女がいないほうがおかしいくらいなのに。
他愛ない話をしながら、隣街の駅に着いた。
駅の施設内を出ると、外はもう、少し薄暗かった。
「……っ!」
でも、いくら辺りが薄暗かったからと言っても、私は彼を見間違うわけなんてない…。