学園怪談2 ~10年後の再会~
 ……。
 インターネットが普及して生活が飛躍的に情報化されたことは言うまでもない。でもそれと同時に様々なトラブルも生まれた。パソコンを使う一部の心ないユーザーたちが行う『犯行予告』。たまにニュースになることだよね? 殺人予告、爆破予告、自殺をけし掛ける脅し……などなど。威力業務妨害や脅迫、恐喝、ストーキング行為……どれもうれっき
とした犯罪だ。
 それでも彼らはやめない。愉快犯の間では、彼らの犯罪は讃えるものであって、決して悪い事をしたという意識なんて少しもないのだから。
 ……これは、あるパソコンに詳しい友達から聞いた話なんだけどね。そんな犯行予告のほとんどはイタズラだ。それも自分ガ書いたとがわからないように、決して足跡は残さない。自分に繋がる全ての情報を消し、予告内容の言葉一つをとっても細心の注意を払う。それでもあくまでイタズラの域を出ない予告のほとんどは、そのまま消去され、人々の記憶からは消えていく。
 そんな中、一人の高校生がいた。……そうだな名前をH君としとこうか。H君は犯行予告の書き込みを定期的に行うのがクセになっていた。学校のパソコンやインターネット喫茶など、自分の素姓を隠しながら度々犯行予告を打ち込み、それに対してのレスポンスを楽しんでいた。
『今度の日曜日に、駅の交差点でバスを爆破します』
 こんな、あたり障りのない書き込みをすると。掲示板には……。
『何を言ってんの、バカじゃないの?』『そんな勇気があったらやってみろよ! どうせ口だけなんだろ?』『こーゆーのって犯罪なんですけどお』『頑張れ! 応援してます♪ バスは乗らないようにしないとね』『具体的にどのバスを狙うの?』『どっか別の場所で書け! このスレを荒らすんじゃねえ』
 
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