学園怪談2 ~10年後の再会~
……そして、金曜日。
この日、彼は学校に行ったふりをして12時前に市役所の側まで来ていた。
市役所の駐車場にはパトカーが3台とまっており、警官が入口付近に立ちふさがっていた。何やら出入りする市民の荷物なんかを検査している様子だ。
「こ、これは本当に何か起こったりするんじゃないか?」
ドキドキしながら、H君は12時を待った。
……カチ、カチ、カチ……カチ。
12時になった。
……しかし、何も起こらなかった。
「な、なんだよ。何も起こらないじゃないか!」
H君は、それから30分ほど同じ場所でじっとしていたが何も起こる気配はなかった。
「ちょっと、君、いいかな?」
その時、後ろから声をかけられ、振り向くと警察官が立っていた。
「こんな昼間にどうしたんだい? まだ学校の時間じゃないのか?」
その言葉に、H君は心臓を鷲掴みにされたような気がした。
……しまった。あまり同じ場所に居続けたものだから警察が俺を怪しんでる。それに本来なら学校にいる時間だった。
「いや、あの、ちょっと腹の具合が悪くて早退してきたんです」
警官は明らかに俺を怪しみながらも2、3質問を投げかけて来た。
当たり障りのない内容で質問を交わし、ようやく解放されると、俺はその場を後にした。
……帰宅して3時間ほど経った頃。
ウ~カンカンカン!
「大変よ! 市役所で火事だって! あんたのお母さんも市役所に行ってるのよ!」
午後3時半。H君は消防車の鐘の音と、隣の家のおばちゃんの来訪で異変を知った。
「そんな、まさか、まさか本当に爆発が……」
呆然としたまま、H君は市役所の方を見やった。ズボンのポケットの中ではだ、携帯にメールの着信をつげるバイブレーションが鳴っていた。
この日、彼は学校に行ったふりをして12時前に市役所の側まで来ていた。
市役所の駐車場にはパトカーが3台とまっており、警官が入口付近に立ちふさがっていた。何やら出入りする市民の荷物なんかを検査している様子だ。
「こ、これは本当に何か起こったりするんじゃないか?」
ドキドキしながら、H君は12時を待った。
……カチ、カチ、カチ……カチ。
12時になった。
……しかし、何も起こらなかった。
「な、なんだよ。何も起こらないじゃないか!」
H君は、それから30分ほど同じ場所でじっとしていたが何も起こる気配はなかった。
「ちょっと、君、いいかな?」
その時、後ろから声をかけられ、振り向くと警察官が立っていた。
「こんな昼間にどうしたんだい? まだ学校の時間じゃないのか?」
その言葉に、H君は心臓を鷲掴みにされたような気がした。
……しまった。あまり同じ場所に居続けたものだから警察が俺を怪しんでる。それに本来なら学校にいる時間だった。
「いや、あの、ちょっと腹の具合が悪くて早退してきたんです」
警官は明らかに俺を怪しみながらも2、3質問を投げかけて来た。
当たり障りのない内容で質問を交わし、ようやく解放されると、俺はその場を後にした。
……帰宅して3時間ほど経った頃。
ウ~カンカンカン!
「大変よ! 市役所で火事だって! あんたのお母さんも市役所に行ってるのよ!」
午後3時半。H君は消防車の鐘の音と、隣の家のおばちゃんの来訪で異変を知った。
「そんな、まさか、まさか本当に爆発が……」
呆然としたまま、H君は市役所の方を見やった。ズボンのポケットの中ではだ、携帯にメールの着信をつげるバイブレーションが鳴っていた。