学園怪談2 ~10年後の再会~
 ……。
 その後、私たちは6人グループになり、一緒に泳いだり夕食を食べたりした。いくら私たちが年上とはいえ、そこはデートの鉄則、男たちにデート費用は出してもらい楽しむことができた。
 ……ただし、夕食の後。まあなんとなく、っていうか当然のように男たちの目つきが危ない方向へと変わってきたのは言うまでもない。
「ナッちゃんってさ~。本当にいいスタイルしてるよね~。俺さ恋人に立候補しちゃおうかな~」
 またなんと軽いノリだろうか。それに今時その近づき方はちょっと古い気もする。
「あはは。そうだね~、まあ私もあなたの事は嫌いじゃないよ」
「冷たいな~」
 その場の空気が軽くなりみんなが笑うが、男たちの眼は笑っていない。やはりこいつらヤル気だ。
「じゃあさ、ちょっと食後の肝試しに行きませんか?」
 その時、睦が提案をしてきた。
 男たちは一瞬黙ったが、何やら眼で会話をした後、OKを申し出てきた。
「この海辺の向こうに使われなくなったトンネルがあるの。みんなで行きましょう」
 誘われるままに男たちはゾロゾロとついてきた。
 ……前を歩く私たち3人の耳に、後ろからついてくる男たちのヒソヒソ声が聞こえる。
「や~ね、きっと俺は誰にするとか、どこに行くとかってエロイ事を話してるに違いないわ」
「しっ、ナッちゃん! 聞こえちゃうでしょ。もっと静かに」
 私がナッちゃんを宥める。
 しかしながらナッちゃんの言うことは間違いないだろう。なんて分かりやすい男の子たちなんだろうか。これだから若い子っていうのは全く……。
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