学園怪談2 ~10年後の再会~
「ついたわよ」
睦に案内されてついたのは、海から山に向かう森林の中にひっそりと佇むトンネルだった。草木が好き勝手に伸びていて、最近はほとんど手入れされてないことが窺えた。トンネル内に明かりはない。長さは僅かに30メートルくらいの短いトンネルで、暗い事もあって向こう側の出口がかろうじて見える程度だ。今日は月が明るく出ているので薄暗いトンネルでも足元にさえ気をつければ、なんとか歩ける。
「じゃあ、このトンネルを向こう側まで抜けて、出口付近にある祠にお賽銭を納めてくるというのがルールですが、いかがですか? あ、あと一つ注意がありまして……あっ!」
「OK、わかったわかった。じゃあ、まずは俺と睦ちゃんで行こうよ」
「あ、ずっけえ!」
サングラスをかけた一番チャラチャラした男が二人の男を押しのけ、話し途中の睦の腕を強引に組んで行ってしまった。
「せっかちな人ねえ。睦……大丈夫かしら?」
「う~ん、あの強引さ。若いっていいわね~」
私の心配を余所に、ナッちゃんは意外に悪い気はしていないようだ。
しばらくして二人がトンネルの向こう側へと姿を消した。しかし、ここからでは暗すぎて二人の事を確認できない。
「じゃあ、次は俺とカナちゃんで行こう」
カナちゃん? まったくこいつらと来たら本当に馴れ馴れしいんだから。
私はロンゲの軽い感じの男に半ば無理やり手を握られ、トンネルへと足を踏み出した。
「ね~、カナちゃん。この後二人でどっか行かない? 俺いいとこ知ってんだ」
「はいはい、無事に帰れたらね」
私はロンゲを宥めつつ先へと進む。
カツリ、カツリ、カツリ。
コツン、コツン、コツン。
私たち二人の足音だけが薄暗いトンネル内に木霊する。
「ね~え、いいっしょ~?
「しっ! 黙って!」
私はお尻へと手を伸ばしたロンゲの手をつまみあげながら言った。
カツリ、カツリ、カツリ。
コツン、コツン、コツン。
睦に案内されてついたのは、海から山に向かう森林の中にひっそりと佇むトンネルだった。草木が好き勝手に伸びていて、最近はほとんど手入れされてないことが窺えた。トンネル内に明かりはない。長さは僅かに30メートルくらいの短いトンネルで、暗い事もあって向こう側の出口がかろうじて見える程度だ。今日は月が明るく出ているので薄暗いトンネルでも足元にさえ気をつければ、なんとか歩ける。
「じゃあ、このトンネルを向こう側まで抜けて、出口付近にある祠にお賽銭を納めてくるというのがルールですが、いかがですか? あ、あと一つ注意がありまして……あっ!」
「OK、わかったわかった。じゃあ、まずは俺と睦ちゃんで行こうよ」
「あ、ずっけえ!」
サングラスをかけた一番チャラチャラした男が二人の男を押しのけ、話し途中の睦の腕を強引に組んで行ってしまった。
「せっかちな人ねえ。睦……大丈夫かしら?」
「う~ん、あの強引さ。若いっていいわね~」
私の心配を余所に、ナッちゃんは意外に悪い気はしていないようだ。
しばらくして二人がトンネルの向こう側へと姿を消した。しかし、ここからでは暗すぎて二人の事を確認できない。
「じゃあ、次は俺とカナちゃんで行こう」
カナちゃん? まったくこいつらと来たら本当に馴れ馴れしいんだから。
私はロンゲの軽い感じの男に半ば無理やり手を握られ、トンネルへと足を踏み出した。
「ね~、カナちゃん。この後二人でどっか行かない? 俺いいとこ知ってんだ」
「はいはい、無事に帰れたらね」
私はロンゲを宥めつつ先へと進む。
カツリ、カツリ、カツリ。
コツン、コツン、コツン。
私たち二人の足音だけが薄暗いトンネル内に木霊する。
「ね~え、いいっしょ~?
「しっ! 黙って!」
私はお尻へと手を伸ばしたロンゲの手をつまみあげながら言った。
カツリ、カツリ、カツリ。
コツン、コツン、コツン。