学園怪談2 ~10年後の再会~
……ペタリ、ペタリ、ペタリ。
……私たちの足音に少し遅れて、変な音がついてくる。
「な、何だこの音?」
「しっ! 後ろを振り向いたらダメよ」
私は急に手を強く握りしめてきたロンゲに言った。
「な、なんで?」
「後ろから幽霊が来てる。振り向いたら殺されるわよ」
私の声にロンゲがひきつった笑い声を出した。
「は、はは。まさか、そんな訳ないだろ?」
「振り向いちゃダメだってば!」
私はただ前を向いて歩き続ける。
カツリ、カツリ、カツリ。
コツン、コツン、コツン。
…ペタリペタリペタリ。
明らかに私たちに追いついてきている! さっきまではだいぶ後ろから音がしていたが、僅かの間に迫ってくる音が大きく、はっきりとした来ている。
「うわ、うわあああああ!」
その緊張感に、ロンゲは私の手を強引に引っ張って走り出した。
「ちょ、ちょっと、痛いってば!」
トンネルの中ほどを過ぎて、全力疾走に近いスピードで走るロンゲに追い付けなくなり、私たちの手が離れた。
「あっ!」
その瞬間、ロンゲは後ろを振り返ってしまった。
ペタペタペタペタ! ダーッ!
……その時、私は見た。ロンゲに飛びかかる白い装束を着た鬼のような形相の女を。
一瞬の出来事だった。ロンゲは悲鳴も上げられずに、その装束の女に連れ去られた……まるで風にさらわれたかのように。
……そして、最後にナッちゃんペアが祠にたどり着き肝試しは終了となった。
「はあ、今回も全滅だったね」
祠の前で、私たち3人は地面に転がった白髪交じりの男たちを見下ろしていた。
「まったく、最後まで人の話を聞かないんだから。『何があっても後ろは絶対に振り向くな』っていうルールがちゃんとあるのにね」
睦はトンネルに入るよりも張りを増したかのような胸を押さえていた。
「最近の子は根性ないわよね」
ナッちゃんも心なしかみずみずしさを増した肌をさすりながら言う。
「また来年……かな?」
私たちは祠にお参りすると、気絶し、白髪が目立っていくらか老けこんだように見える男たちを残してその場を去った。
……私たちの足音に少し遅れて、変な音がついてくる。
「な、何だこの音?」
「しっ! 後ろを振り向いたらダメよ」
私は急に手を強く握りしめてきたロンゲに言った。
「な、なんで?」
「後ろから幽霊が来てる。振り向いたら殺されるわよ」
私の声にロンゲがひきつった笑い声を出した。
「は、はは。まさか、そんな訳ないだろ?」
「振り向いちゃダメだってば!」
私はただ前を向いて歩き続ける。
カツリ、カツリ、カツリ。
コツン、コツン、コツン。
…ペタリペタリペタリ。
明らかに私たちに追いついてきている! さっきまではだいぶ後ろから音がしていたが、僅かの間に迫ってくる音が大きく、はっきりとした来ている。
「うわ、うわあああああ!」
その緊張感に、ロンゲは私の手を強引に引っ張って走り出した。
「ちょ、ちょっと、痛いってば!」
トンネルの中ほどを過ぎて、全力疾走に近いスピードで走るロンゲに追い付けなくなり、私たちの手が離れた。
「あっ!」
その瞬間、ロンゲは後ろを振り返ってしまった。
ペタペタペタペタ! ダーッ!
……その時、私は見た。ロンゲに飛びかかる白い装束を着た鬼のような形相の女を。
一瞬の出来事だった。ロンゲは悲鳴も上げられずに、その装束の女に連れ去られた……まるで風にさらわれたかのように。
……そして、最後にナッちゃんペアが祠にたどり着き肝試しは終了となった。
「はあ、今回も全滅だったね」
祠の前で、私たち3人は地面に転がった白髪交じりの男たちを見下ろしていた。
「まったく、最後まで人の話を聞かないんだから。『何があっても後ろは絶対に振り向くな』っていうルールがちゃんとあるのにね」
睦はトンネルに入るよりも張りを増したかのような胸を押さえていた。
「最近の子は根性ないわよね」
ナッちゃんも心なしかみずみずしさを増した肌をさすりながら言う。
「また来年……かな?」
私たちは祠にお参りすると、気絶し、白髪が目立っていくらか老けこんだように見える男たちを残してその場を去った。