学園怪談2 ~10年後の再会~
 ……。
「あの祠にはね、山姥を静める目的があるんだよ。たまにああやって人間の若い男の寿命を吸い取りに現れるんだって」
 赤羽先生は自分の指をさすりながら話してくれた。
「へ~、寿命を……って、先生はトンネルの山姥について知っていたんですか? だったら最初からトンネルに連れて行かなければ良かったんじゃないんですか?」
 私の質問に赤羽先生はペロッと舌を出して笑った。
「あはは、だってさあ。あのままじゃ男たちにヤラれてたもん。あの子たちタイプじゃなかったし、それに……」
「それに?」
「なんか、私たちまでつられて若返っている気がするんだよね……」
 そう言ってウットリと指を眺める赤羽先生の顔が、一瞬私には山姥のように見えた。
「さあてと、じゃあ私は帰ろうかな。そろそろ彼が来るからね。みんな頑張ってね。また集まりましょう」
 赤羽先生はみんなに見守られながら教室を去った。
「先生……十年前からほとんど変わってないよな。歳をとってないんじゃないの?」
 引きつった紫乃さんの笑いに、誰も答える者はなかった……。

残り17話

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