学園怪談2 ~10年後の再会~
……でも、これが私の恐怖の始まりでした。
次の日。友達と遊びに行く約束をしていたので、私は急ぎ足で駅へと向かっていました。
「はあはあ、次の急行に乗らないと遅れちゃう~」
全速力で走る私の眼前に、昨日のゴミ捨て場が見えました。
ダダダダダ。
私は通り過ぎる間際にチラッと何気なく視線をむけてみました。しかし、昨日のゴミはもう回収されたようで、例のクマのぬいぐるみの姿も確認できなかったように思います。
そして、駅にたどり着いた私は、滑り込むように急行電車に乗り込みました。
「はあ、はあ、はあ」
受験で運動不足のためか、すっかり息が上がってしまいました。
春休みのおかげもあるのか、平日の昼時の車内は空いていたので、広々と空いた座席に私独り占めで腰を下ろしました。
呼吸も徐々に落ち着き、私は目の前外の景色を力なく眺めていました。
……ゴッ!
一瞬にして明るかった車外が暗闇に包まれました。そうです。電車がトンネルの中に入ったんです。
「ビックリした。普段あんまり乗らないからな~」
私は耳に聞こえるゴーゴーという轟音と、後頭部の定期的な衝撃を感じつつ目の前の窓に視線を戻していました。
……すると、私の視線……つまり目の前の窓に映った光景に小さな違和感を覚えました。
「ん? なんだろう」
窓には暗くなったため、反対側の座席に座る私の姿がはっきりと映し出されています。しかし、その私のすぐ隣の背中側に何か2つの半円型をしたものが見えます。
私の疑問を余所に、その半円は少しずつ下からせり上がり大きくなってきます。
……やがて半円のすぐ下にもっと大きな丸い形をした物が見えました。それは……クマ? 私はびっくりして後ろを振り向きました。
……ゴッ!
その途端、景色がもとの色を取り戻し、トンネルの外に出ました。
次の日。友達と遊びに行く約束をしていたので、私は急ぎ足で駅へと向かっていました。
「はあはあ、次の急行に乗らないと遅れちゃう~」
全速力で走る私の眼前に、昨日のゴミ捨て場が見えました。
ダダダダダ。
私は通り過ぎる間際にチラッと何気なく視線をむけてみました。しかし、昨日のゴミはもう回収されたようで、例のクマのぬいぐるみの姿も確認できなかったように思います。
そして、駅にたどり着いた私は、滑り込むように急行電車に乗り込みました。
「はあ、はあ、はあ」
受験で運動不足のためか、すっかり息が上がってしまいました。
春休みのおかげもあるのか、平日の昼時の車内は空いていたので、広々と空いた座席に私独り占めで腰を下ろしました。
呼吸も徐々に落ち着き、私は目の前外の景色を力なく眺めていました。
……ゴッ!
一瞬にして明るかった車外が暗闇に包まれました。そうです。電車がトンネルの中に入ったんです。
「ビックリした。普段あんまり乗らないからな~」
私は耳に聞こえるゴーゴーという轟音と、後頭部の定期的な衝撃を感じつつ目の前の窓に視線を戻していました。
……すると、私の視線……つまり目の前の窓に映った光景に小さな違和感を覚えました。
「ん? なんだろう」
窓には暗くなったため、反対側の座席に座る私の姿がはっきりと映し出されています。しかし、その私のすぐ隣の背中側に何か2つの半円型をしたものが見えます。
私の疑問を余所に、その半円は少しずつ下からせり上がり大きくなってきます。
……やがて半円のすぐ下にもっと大きな丸い形をした物が見えました。それは……クマ? 私はびっくりして後ろを振り向きました。
……ゴッ!
その途端、景色がもとの色を取り戻し、トンネルの外に出ました。