学園怪談2 ~10年後の再会~
……逃げなきゃ、逃げなきゃ私は食い殺されてしまう。
頭ではわかっていても、体が動かない。だって、私の足元には……既に別の幽霊が絡みついていたから。
「ちょっとだけ、ちょっとだけだからね~」
私の足にしがみつき、私の足を切り刻み続けるのは……間違いなく『チョン切りおばさん』だ。
ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ。
足もとに、私の刻まれた肉片と血液が飛び散る。
「ちょっとだけ、ちょっとだけだから……」
言葉と矛盾する行為を繰り返し続けながら、私への殺戮行為は続けられる。
「み~つけた~」
気がつくと、さっきまでガラス戸の外にいたおばさんたちが、ガラス戸をこじ開けて中に入ってきていた。
「逃げろ! 早く逃げるんだ!」
徹さんの声が遠くに聞こえる。近くにいるはずなのに、でも遠い。決して私をこの悪夢から助け出してくれるものではない事は十分に承知している。でも悲しい。冷たい。苦しいし……憎い。
私を助けてくれない徹さんが憎い。いや、徹さんだけじゃない、淳さんも、大ちゃんさんも、能勢さんも……。
私の体を『ペタペタさん』が撫でまわす。『腕なし』が腕を切り離そうと噛みついてくる。激痛と溢れ出る血液を、私の目は背けることもできずに受け止める。
……斎条さんも憎い、紫乃さんも、赤羽先生も、みんな、みんな、みんな憎い! 何よりも一番自分が憎い! どうしてかはわからない。でも、体に感じる熱が、痛みが、全て憎しみとなって私の体を覆い尽くしていく。
……私の腕が片方食いちぎられた。
頭ではわかっていても、体が動かない。だって、私の足元には……既に別の幽霊が絡みついていたから。
「ちょっとだけ、ちょっとだけだからね~」
私の足にしがみつき、私の足を切り刻み続けるのは……間違いなく『チョン切りおばさん』だ。
ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ。
足もとに、私の刻まれた肉片と血液が飛び散る。
「ちょっとだけ、ちょっとだけだから……」
言葉と矛盾する行為を繰り返し続けながら、私への殺戮行為は続けられる。
「み~つけた~」
気がつくと、さっきまでガラス戸の外にいたおばさんたちが、ガラス戸をこじ開けて中に入ってきていた。
「逃げろ! 早く逃げるんだ!」
徹さんの声が遠くに聞こえる。近くにいるはずなのに、でも遠い。決して私をこの悪夢から助け出してくれるものではない事は十分に承知している。でも悲しい。冷たい。苦しいし……憎い。
私を助けてくれない徹さんが憎い。いや、徹さんだけじゃない、淳さんも、大ちゃんさんも、能勢さんも……。
私の体を『ペタペタさん』が撫でまわす。『腕なし』が腕を切り離そうと噛みついてくる。激痛と溢れ出る血液を、私の目は背けることもできずに受け止める。
……斎条さんも憎い、紫乃さんも、赤羽先生も、みんな、みんな、みんな憎い! 何よりも一番自分が憎い! どうしてかはわからない。でも、体に感じる熱が、痛みが、全て憎しみとなって私の体を覆い尽くしていく。
……私の腕が片方食いちぎられた。