学園怪談2 ~10年後の再会~
……。
「大ちゃんさんは車をよく左折させましたね。あのまま車をT字路で右折してたら山に戻ってしまって命が危なかったかもしれませんよね」
私は気になった質問をしてみた。
「ああ、あの山男のおっちゃんさ、俺にモールス信号を送ってくれたんだ」
……モールス信号?
聞きなれない言葉に大ちゃんさんが付け足しの説明をしてくれる。
「まあ、光を使った会話なんだけどさ。ツー、トン。とかっていう感じで光を点けたり消したりってやつ。おっちゃんは『ヒ・ダ・リ』っていう風に、短い間隔で何度かヘッドライトのパッシングを使ってメッセージをおくってくれてたんだ。俺は無線機の資格を持っててさ、モールス信号に気づいたから左折したってわけ。おっちゃんもまさか通じるとは思ってなかったみたいでビックリしてたよ」
……芸は身を助けるとはこの事か。何にしても大ちゃんさんが無事でよかった。
私だったら助からずに山姥に食べられていたかもしれない。
しかし現代の日本に山姥とは……日本にはまだまだ危険な場所が眠っているようで私は身震いせずにはいられなかった。
残り5話
「大ちゃんさんは車をよく左折させましたね。あのまま車をT字路で右折してたら山に戻ってしまって命が危なかったかもしれませんよね」
私は気になった質問をしてみた。
「ああ、あの山男のおっちゃんさ、俺にモールス信号を送ってくれたんだ」
……モールス信号?
聞きなれない言葉に大ちゃんさんが付け足しの説明をしてくれる。
「まあ、光を使った会話なんだけどさ。ツー、トン。とかっていう感じで光を点けたり消したりってやつ。おっちゃんは『ヒ・ダ・リ』っていう風に、短い間隔で何度かヘッドライトのパッシングを使ってメッセージをおくってくれてたんだ。俺は無線機の資格を持っててさ、モールス信号に気づいたから左折したってわけ。おっちゃんもまさか通じるとは思ってなかったみたいでビックリしてたよ」
……芸は身を助けるとはこの事か。何にしても大ちゃんさんが無事でよかった。
私だったら助からずに山姥に食べられていたかもしれない。
しかし現代の日本に山姥とは……日本にはまだまだ危険な場所が眠っているようで私は身震いせずにはいられなかった。
残り5話