学園怪談2 ~10年後の再会~
約45年前、学園の初代卒業生の井上孔明が自害した。その筈なのに彼の死体は誰にも発見されなかった。大量の血液と彼の遺品を残して校庭のど真ん中から消えてしまった。当時は様々な噂が飛びこんだらしい。校庭にそのまま吸い込まれたとか、原子分解されて空気中に溶け込んだとか、生き還って今でも校庭を彷徨っているとか……。
体がないとはいえ、井上孔明の呪いは確かに発動しているようだ。学園の霊気は年々上がっているらしい。そして学園のどこかに潜む井上孔明の体に着々と負のエネルギーは溜まっていく。このままでは本当に井上孔明の体が負のエネルギーで復活してしまう。俺はなんとしてもそれを阻止しなければならない。また、この事実を知る者は学園の中でも俺と学園長、用務員さんの3人だけだ。他の生徒に不安を与えないように学園内を捜査するには俺と用務員さんはまさにうってつけだった。
「しかし……一体どこにあるんだ?」
学園に赴任して早2ヶ月。研修や授業部活動などで忙しい事もあるが、それでも俺は空いている時間は積極的に捜索に取り組んだ。
……それでも、校舎内をくまなく探したものの手がかりはない。
……そんなある日だった。
「徹君、これを見てくれ」
いつものように放課後、捜索にあたっていた俺に用務員さんが声を掛けてきた。
「どうしました? ん、これは……?」
用務員さんから受け取ったものは鎖に繋がった……銀のロザリオだった。
「もしかして……これは?」
俺の言葉に用務員さんが頷いた。
……生前、井上孔明が魂を留める儀式の際に使った魔道具の一つだ。
手に取った瞬間、何か禍々しい感覚が手のひらから全身へと流れ込んでくるように思えた。
「間違いない、これが井上孔明の謎を解く、手がかりになるはずだ……」
「私はこれを焼却炉で発見した。もともとあそこは古くから校舎のゴミを燃やすのに使っていた。しかし今はゴミを業者に頼んで持って行ってもらうようになった。誰も近づく事のなくなった場所だけに盲点だったよ」
俺はその言葉に深く頷いた。きっと学園内には他に俺の気付かない場所があるはずだ。一刻も早い発見が命題になるに違いない……。
俺は一見は平和に見える新座学園の校舎を黙って見つめていた……。
……絶対に、この平和をひと時だけのものになんてさせない!
体がないとはいえ、井上孔明の呪いは確かに発動しているようだ。学園の霊気は年々上がっているらしい。そして学園のどこかに潜む井上孔明の体に着々と負のエネルギーは溜まっていく。このままでは本当に井上孔明の体が負のエネルギーで復活してしまう。俺はなんとしてもそれを阻止しなければならない。また、この事実を知る者は学園の中でも俺と学園長、用務員さんの3人だけだ。他の生徒に不安を与えないように学園内を捜査するには俺と用務員さんはまさにうってつけだった。
「しかし……一体どこにあるんだ?」
学園に赴任して早2ヶ月。研修や授業部活動などで忙しい事もあるが、それでも俺は空いている時間は積極的に捜索に取り組んだ。
……それでも、校舎内をくまなく探したものの手がかりはない。
……そんなある日だった。
「徹君、これを見てくれ」
いつものように放課後、捜索にあたっていた俺に用務員さんが声を掛けてきた。
「どうしました? ん、これは……?」
用務員さんから受け取ったものは鎖に繋がった……銀のロザリオだった。
「もしかして……これは?」
俺の言葉に用務員さんが頷いた。
……生前、井上孔明が魂を留める儀式の際に使った魔道具の一つだ。
手に取った瞬間、何か禍々しい感覚が手のひらから全身へと流れ込んでくるように思えた。
「間違いない、これが井上孔明の謎を解く、手がかりになるはずだ……」
「私はこれを焼却炉で発見した。もともとあそこは古くから校舎のゴミを燃やすのに使っていた。しかし今はゴミを業者に頼んで持って行ってもらうようになった。誰も近づく事のなくなった場所だけに盲点だったよ」
俺はその言葉に深く頷いた。きっと学園内には他に俺の気付かない場所があるはずだ。一刻も早い発見が命題になるに違いない……。
俺は一見は平和に見える新座学園の校舎を黙って見つめていた……。
……絶対に、この平和をひと時だけのものになんてさせない!