学園怪談2 ~10年後の再会~
……学園長室。
ここには徹と紫乃が来ていた。
「ちょっと徹、あんた学園内の教室は全部調べたんじゃないの?」
紫乃の言葉を尻目に、徹は学園長室に飾られた一枚の肖像画に手をかけた。
「ああ、確かに全ての教室は調べた。それこそファイルから、机の引き出しから、時計の中まで全てな」
そして、初代学園長の肖像画を取り上げると、床に力いっぱい叩きつけた。
ガシャアアアアン!
「きゃああ! 何をすんのよ」
そして、紫乃の足元に何かが転がり落ちた。
……少し大きめの銀のロザリオだった。
「だから、あと調べてなかったのは、この肖像画だけだったんだ。50年近くも昔からあるのは、もうこれだけだからな」
目的を達成した二人の目に何かが飛び込んできた。ドアの脇に血まみれの少女が立っていた。
「お兄ちゃん、お姉ちゃん、遊ぼう……」
その少女はおかっぱ頭で、金色に光る目が二人に向かって手招きをしている。
「ひい! 徹、徹、どうしたらいいの! 誰かがいるよおお!」
ガクガクと震える紫乃を背中に隠して、徹が前に出る。
「こいつは『手招き少女』だ」
徹の言葉に少女はピクリと反応した。
「だ、誰なのそれって?」
紫乃は聞いたことのない妖怪の名前に驚きを隠せない。
「こいつはな、実際の妖怪じゃないんだ。最近、学園の生徒たちの間でトイレの花子さんのように新しい妖怪が作り話にされた。それが手招き少女。遊び相手を探すうちに帰り道を忘れてしまい家に帰れなくなった。そのまま車にはねられて死んでしまった……っていう設定なんだ」
徹の言葉に、車のブレーキ音と、ドン! という何かをはね飛ばす音も聞こえた。
目の前の少女の額から赤い血がポタポタと流れ落ちる。
ここには徹と紫乃が来ていた。
「ちょっと徹、あんた学園内の教室は全部調べたんじゃないの?」
紫乃の言葉を尻目に、徹は学園長室に飾られた一枚の肖像画に手をかけた。
「ああ、確かに全ての教室は調べた。それこそファイルから、机の引き出しから、時計の中まで全てな」
そして、初代学園長の肖像画を取り上げると、床に力いっぱい叩きつけた。
ガシャアアアアン!
「きゃああ! 何をすんのよ」
そして、紫乃の足元に何かが転がり落ちた。
……少し大きめの銀のロザリオだった。
「だから、あと調べてなかったのは、この肖像画だけだったんだ。50年近くも昔からあるのは、もうこれだけだからな」
目的を達成した二人の目に何かが飛び込んできた。ドアの脇に血まみれの少女が立っていた。
「お兄ちゃん、お姉ちゃん、遊ぼう……」
その少女はおかっぱ頭で、金色に光る目が二人に向かって手招きをしている。
「ひい! 徹、徹、どうしたらいいの! 誰かがいるよおお!」
ガクガクと震える紫乃を背中に隠して、徹が前に出る。
「こいつは『手招き少女』だ」
徹の言葉に少女はピクリと反応した。
「だ、誰なのそれって?」
紫乃は聞いたことのない妖怪の名前に驚きを隠せない。
「こいつはな、実際の妖怪じゃないんだ。最近、学園の生徒たちの間でトイレの花子さんのように新しい妖怪が作り話にされた。それが手招き少女。遊び相手を探すうちに帰り道を忘れてしまい家に帰れなくなった。そのまま車にはねられて死んでしまった……っていう設定なんだ」
徹の言葉に、車のブレーキ音と、ドン! という何かをはね飛ばす音も聞こえた。
目の前の少女の額から赤い血がポタポタと流れ落ちる。