学園怪談2 ~10年後の再会~
第56話~60話
第56話 『マグロ拾い』 語り手 石田徹
続いて登場したのは徹さんだ。昔はおバカばかりやっていた徹さんだけど、今は結婚したためか、それなりの落ち着きが出たもようだ。
「さて、俺の話だが。俺は勉強の為に様々な職種を経験してきた。そうだな……バイトも含めると20種類くらいやったかな?」
……なぜそんなに転職をしてるんだ? 勉強と言いつつも実は長続きしないだけじゃないのか?
私は口を出かかった言葉を飲み込み、徹さんの話に黙って耳を傾けることにした。
「俺がバイトでやった中で最も恐ろしい経験を話そう。びびってチビらないように気をつけなよ」
そして、10年ぶりの徹さんの怪談が始まった。
「短大時代にやったマグロ拾いのバイト……日給十万円だったけど、俺の今までの人生において最も恐ろしい経験だった。もういくら積まれても二度とやりたくないな」
「なんですかマグロ拾いって? 築地とかでの仕事ですか?」
私の言葉に淳さんが険しい顔で答えてくれた。
「マグロ拾い……っていうのはさ……電車に飛び込み自殺した人の……その……マグロの中落ちなんかに似て……」
思わず想像してしまい、胃に酸っぱいものを感じた私は腹を押さえた。
続いて登場したのは徹さんだ。昔はおバカばかりやっていた徹さんだけど、今は結婚したためか、それなりの落ち着きが出たもようだ。
「さて、俺の話だが。俺は勉強の為に様々な職種を経験してきた。そうだな……バイトも含めると20種類くらいやったかな?」
……なぜそんなに転職をしてるんだ? 勉強と言いつつも実は長続きしないだけじゃないのか?
私は口を出かかった言葉を飲み込み、徹さんの話に黙って耳を傾けることにした。
「俺がバイトでやった中で最も恐ろしい経験を話そう。びびってチビらないように気をつけなよ」
そして、10年ぶりの徹さんの怪談が始まった。
「短大時代にやったマグロ拾いのバイト……日給十万円だったけど、俺の今までの人生において最も恐ろしい経験だった。もういくら積まれても二度とやりたくないな」
「なんですかマグロ拾いって? 築地とかでの仕事ですか?」
私の言葉に淳さんが険しい顔で答えてくれた。
「マグロ拾い……っていうのはさ……電車に飛び込み自殺した人の……その……マグロの中落ちなんかに似て……」
思わず想像してしまい、胃に酸っぱいものを感じた私は腹を押さえた。