学園怪談2 ~10年後の再会~
第52話 『甲子園』 語り手 山﨑大介
「やあ、本当に久しぶりだね。元気にしていたかい?」
10年ぶりに見る大ちゃんさんは相変わらず真っ黒に日焼けしており、その鍛え上げられた身体はくっきりと逆三角形だ。
「はい、元気です。大ちゃんさんもお変わりないようで。今も野球は続けてるんですか?」
プロ野球には大ちゃんさんの名前はない。それでも高校3年生の時に甲子園に出場した事だけは、私もテレビで確認したので知っている。
「うん。まあ、社会人野球なんだけどね。そこまで強豪って訳でもないから2部リーグの中堅を彷徨ってるよ。もう趣味の延長って感じだね」
大ちゃんさんは腰を抑えながら言った。
「大ちゃんはね、高校のときに腰を痛めちゃったから、最大限の力を発揮できなかったんだよ……」
「能勢! いいから」
フォローを入れた能勢さんを制し、大ちゃんさんは一瞬の渋い顔の後、白い歯を見せて笑った。
「もう昔のことだ。それに、今の現状もそれなりに満足してるよ。野球人生は高校で花開いて、そこで完全燃焼したからいいんだ。後悔はしてない」
大ちゃんさんは私に向き直ると、いよいよ話を切り出してきた。
「今回の俺の1話目は高校球児の夢の舞台……甲子園にまつわる話だよ」
「やあ、本当に久しぶりだね。元気にしていたかい?」
10年ぶりに見る大ちゃんさんは相変わらず真っ黒に日焼けしており、その鍛え上げられた身体はくっきりと逆三角形だ。
「はい、元気です。大ちゃんさんもお変わりないようで。今も野球は続けてるんですか?」
プロ野球には大ちゃんさんの名前はない。それでも高校3年生の時に甲子園に出場した事だけは、私もテレビで確認したので知っている。
「うん。まあ、社会人野球なんだけどね。そこまで強豪って訳でもないから2部リーグの中堅を彷徨ってるよ。もう趣味の延長って感じだね」
大ちゃんさんは腰を抑えながら言った。
「大ちゃんはね、高校のときに腰を痛めちゃったから、最大限の力を発揮できなかったんだよ……」
「能勢! いいから」
フォローを入れた能勢さんを制し、大ちゃんさんは一瞬の渋い顔の後、白い歯を見せて笑った。
「もう昔のことだ。それに、今の現状もそれなりに満足してるよ。野球人生は高校で花開いて、そこで完全燃焼したからいいんだ。後悔はしてない」
大ちゃんさんは私に向き直ると、いよいよ話を切り出してきた。
「今回の俺の1話目は高校球児の夢の舞台……甲子園にまつわる話だよ」