学園怪談2 ~10年後の再会~
第61話~65話
第61話 『タイムカプセル~後編~』 語り手 石田紫乃
……やがて。
「……こ、ここは」
私たちがたどり着いたのは体育館の裏。普段は昼間であっても全く人の訪れることのない寂しい場所だった。
そこに、ひっそりと小さな祠のようなものが立っていた。しかし……十年前にこんなものがあったんだろうか? 霊感のあまりないと思う私ですら感じる陰気な気配。何か重く冷たく圧し掛かってくるかのような空気が気持ち悪い。
……蝶になっていた手紙は光を失くし、祠の側に落ちていた。
「手紙が俺たちをここまで連れてきたのか?」
大ちゃんさんは祠に近づくと、もうただの紙切れとかした手紙を拾い上げた。
「ここは井上昂明を供養するための祠だ、間違いない」
淳さんの言葉に、紙切れが僅かばかりに光を放った。まるで今の言葉を肯定したかのように……。
霊感が高いと自ら豪語する能勢さんは、さすがに異様なまでの雰囲気に冷や汗を拭っていた。
「私は、私は一体どうしたらいいの? どうすれば助かるの?」
紫乃さんの言葉に誰からも反応はない。
……やがて。
「……こ、ここは」
私たちがたどり着いたのは体育館の裏。普段は昼間であっても全く人の訪れることのない寂しい場所だった。
そこに、ひっそりと小さな祠のようなものが立っていた。しかし……十年前にこんなものがあったんだろうか? 霊感のあまりないと思う私ですら感じる陰気な気配。何か重く冷たく圧し掛かってくるかのような空気が気持ち悪い。
……蝶になっていた手紙は光を失くし、祠の側に落ちていた。
「手紙が俺たちをここまで連れてきたのか?」
大ちゃんさんは祠に近づくと、もうただの紙切れとかした手紙を拾い上げた。
「ここは井上昂明を供養するための祠だ、間違いない」
淳さんの言葉に、紙切れが僅かばかりに光を放った。まるで今の言葉を肯定したかのように……。
霊感が高いと自ら豪語する能勢さんは、さすがに異様なまでの雰囲気に冷や汗を拭っていた。
「私は、私は一体どうしたらいいの? どうすれば助かるの?」
紫乃さんの言葉に誰からも反応はない。