優子の恋



涙を拭くのも忘れて
デスクに戻ると
隣にいた朝井さんが
ハンカチを渡して
"大丈夫?"と言ってくれた、
紳士的な朝井さんに
少しだけ心が救われた。


遠くにいる竹下くんも
私の方を何度か見てくれているみたい
もう少し席が近かったらなぁ…
学生の時みたいに
席替えとかあればいいのに…



私はよく場に
流されてしまう悪い癖がある。

前回、部長と付き合い始めた時も
そうやって流されてしまったのがいけなかった

心にはちゃんと
大好きな"竹下くん"の存在があったのに…

今回もそうだった。



お願いだから
私を早く捕まえて
他の誰かに流される前に


早く貴方と話したい
目を合わせて笑い合いたい
手を繋ぎたい
抱き締めて欲しい


私はこんなにも
貴方を待ち遠しく思っている


貴方との未来を想うと
何も起こらない現状に
歯痒くも感じるけど、
でも楽しみなの
貴方との未来を想うと
生きる勇気が湧いてくる。


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