優子の恋
坂本部長とミユキちゃんからの挨拶から始まり
パーティーは予想以上に
盛り上がっていた。
予算削減のために
会社の講堂を使ったけど
人数が多くて
少し狭く感じたけど
楽しくてそんな事は
気にならなかった。
お酒の弱い私は
だんだん酔ってきて
今なら隅っこで
焼酎を浴びるように飲む
竹下くんに近づける気がした。
私はあくまで自然さを
心がけて竹下くんに
接近した。
「一緒に飲んでもいいですか?」
周りの人は
面白がって冷やかした。
「あ……ああ、どうぞ…」
そう言って机にある瓶を
退かして私のスペースを作ってくれた
そんな何気ない動作に
私はキュンとしてしまった。
「ありがとうございます、失礼します」
「……」
「焼酎、好きなんですか?」
「あ、はい…」
「えっと…お酒は好きなんですか?」
「まあ、はい…」
「……えっと、うーんと…」
話が驚くほど続かなくて
焦ってお酒に
頼っていたら
いつの間にか私は出来上がってしまった。
「ねぇねぇ竹下く~ん」
「ちょっと…止めてください」
「ちょっとぐらい笑ってよ!ほらっ」
私は竹下くんの
ほっぺたをつまみ上げた
「やめてくだひゃい…」
「あははは!かーわいー」
私の記憶はそこで途絶えた。