優子の恋



時計はお昼の12時を
指していた。


「ごめんね、ありがとう…もう大丈夫だよ…」

「そうですか…」


書類をきちっとまとめて
出ていく時には一礼をして
本当にちゃんとした人だなぁ…
感心するのと同時に
自分の情けなさに
また泣いた。



お昼の休憩が終わる頃に
私もデスクに戻った。


「あ!ユウコ先輩、今来たんですか?」

「ううん、ちょっと具合が悪くて医務室で休んでたの…」

「大丈夫ですか?」

「うん、もう大丈夫だよ…」

「元気無いですよ…」

「え?そう?…大丈夫だよ…」


席に着くと、


「何かあったらいつでも言って下さいね!」

リナちゃんは笑顔で言った
私はまた泣いてしまいそうだった。


「うん、ありがとう…」


< 28 / 35 >

この作品をシェア

pagetop