優子の恋


その日はその後
竹下くんと特別変わった事は起きなかった。


帰りにもう一度
お礼を言ったけど、
なんとなく爽やかに交わされてしまった。



家に着いた
電気も付けず
そのまま寝室へ向かって
ベッドに腰を下ろした。

静かに涙が溢れる。

音もたてず、ただただ涙が流れた。


もう無理だと感じた。

きっと私は、既にどん底まで嫌われてる気がする。


どれだけ努力しても
どんな奇跡が起ころうと

私の方に風が吹く気がしないの…



もう諦めるしか無い


……諦められるかな?



< 29 / 35 >

この作品をシェア

pagetop