優子の恋
「ユウコ先輩って、今お付き合いしてる人とかっているんですかー?」
「今はいない…3日前に別れちゃったんだぁ…」
「営業部の部長ですよね?」
「さすがチエちゃん、情報早いね…」
「ええ?!あの藤堂部長ですか?」
「しー!声が大きいよ、リナちゃん!」
「すっすすみません…」
真っ赤な顔をして
リナちゃんは口を押さえた。
「そういえばリナって、部長のこと好きだったよね」
ミユキちゃんが
コーヒーを啜りながら
呟いた。
「ちょっとミユキ!」
「それは言ったらダメやろ!」
リナちゃんとチエちゃんは総立ちして突っ込んだ。
「私のことなら気にしないで…」
「ユウコ先輩、気にしないでください……ただ憧れてるだけなんで」
「ううん、もういいの…」
「先輩!リナに悪気がある訳じゃない――」
「――違うの!……私」
「私、好きな人できたの」
三人の唖然とした顔を
私は今でもハッキリ覚えてる。