イヴの魔法~無関心な彼が甘くなる瞬間~
無関心ボーイ、浮気する!?
ドキドキドキドキ!!
建物の陰に隠れて、耳を澄ませる。
たまたま見掛けた。
女の人と、刹那が歩いていく姿。
補習最終日だけど、そんなの関係ない!!
あたしは、こっちが気になる!!
話は途中からかもしれないけど、もう告白だって分かる。
だって、女の人の顔が赤いもん!
刹那、モテるんだもん。
カッコイイから…。
「ねー、どうしよう…?」
不意に聞こえた声に、ぴくっと反応する。
なにが、なにが?!
「おれは別れる」
……わかっ別れる!?
「そっかぁ。
そうだよね。意を決っさなきゃね…」
なんだか、急に聞いていられなくなったあたしは、その場を立ち去った。
教室に戻っても、『俺は別れる』がリフレインして。
泣きそうになるのを、必死に止める。
でも今日は、補習なんて出来る気がしなくて、悠希に謝って学校を出た。
『俺は別れる』
どういうこと?
あたしと別れる?
もしかして、あの人と浮気してた?
そう思ったら、無関心過ぎる行動も納得がいっちゃって。