イヴの魔法~無関心な彼が甘くなる瞬間~
無関心ボーイとの剥離
次の日
あたしは重い身体を起こす。
スマホのロックを外すと、メールが2件、電話が3件入っている。
見ると、メール1件以外、全て刹那から。
『なんかあった?』
『どうした?』
一行だけのメール。
なかなか来ないメール。
こんな時にくれるなんて、ズル過ぎるよ…。
あたしは、制服に着替えると、刹那の部屋には寄らず、登校した。
教室に入ると、誰もいない。
……そっか。
いつもは、刹那を起こしてから来るから…。
刹那はあたしの生活の一部なんだって、実感する。
「……離れたく、ないな」
あたしは、教室にも居たくなくて、別校舎に向かった。
特別棟と呼ばれ、資料室とか、理科室とかしかないから、今はまるで人がいない。
そこの階段に座り込み、ジッと足元を見れば、ポタリと水が垂れる。
そのうち、ポタポタと速度を上げて、水が落ちる。
無関心ボーイは、性格じゃなくて、本当にあたしに無関心だったのかな?
だから、好きだよって言っても、ふーんとか、あっそとかしか言わなかったのかな?