イヴの魔法~無関心な彼が甘くなる瞬間~
言い終えると、刹那は「はーっ」とため息をつく。
「あのな、それ恋愛相談受けてたんだよ…」
「恋愛相談…?」
刹那は、あたしの目尻を親指で拭く。
「そ。
あいつの彼氏、よく俺と話すから。
それで、あいつ浮気してないかって」
「……してたの?」
「ん。
だから、俺なら別れるなって話してた」
あ。
じゃあ、あの場面は…
意味が分かって、思わず笑みが零れる。
「あたしの思い違いかぁ~」
良かったぁ、と刹那の胸に頭を寄せる。
「そう。全て、ね。
なのに、よくもまぁ、俺をシカトしてくれたな?」
刹那があたしを放す。
「……え」
オカシイ。
いつもクールで無表情な刹那が、笑ってる…。
冷笑って言葉が、ピッタリだよ…。
「刹那…?」
「俺さぁ、日和のせいで毎日遅刻。
お昼は腹減るし…」
「ええ?!お昼ナシだったの!?」
怪訝な表情を浮かべれば、刹那な急にすました顔になって。
「そう。無かったの。
勿論、責任取ってくれるよな?」
せっ責任って…
「刹那…?」