イヴの魔法~無関心な彼が甘くなる瞬間~
頬にある刹那の手を掴む。
「他の男から言い寄られやがって」
他の男…?
それって………
「ムカつく。
日和が他の男のこと想うとか。
だから、お前のこと、
メチャクチャにしてやる」
熱っぽく言われた台詞に、言葉を失う。
ねぇ?
今の、あたしには告白にしか、聞こえなかったよ?
その想いは飲み込む。
だって、大好きなキスが、降ってくるから。
「……お仕置き、だな」
小さく呟いた刹那から、深く熱く少し荒っぽいキスが、注がれる。
「んっ……せつっ…な…」
あたしは、クラクラする中、必死に刹那のワイシャツを掴む。
そして、必死にキスに答える。
何度も角度を変えて、注がれるキス。
まるで、聖夜に誓うよう。
「なぁ、日和」
「んっ?」
離れた唇から、荒くなった呼吸。
普通の表情の刹那に、一言返すのが精一杯。
「クリスマスプレゼント、日和が欲しい」
「えっ?」
そう言って、首筋にキスをする。
ピクンッと反応するあたしを、可笑しそうに、意地悪に見つめる貴方。
「つか、嫌とか言わせねぇし。
喋るのも、やっとだろ?」
うっ…だからあんな荒いキスしたんだ。
赤面して、俯くあたしの耳に、刹那は囁く。
「よこせよ、日和」