イヴの魔法~無関心な彼が甘くなる瞬間~



それにつられて、あたしもシーツを掴みながら起き上がる。



すると刹那は、右手だけであたしをグッと抱きしめる。



「今年はブレスレット、
来年はネックレス、
再来年は、結婚できるだろ?」



どきっ…



刹那の言葉に、また目頭が熱くなる。



再来年、結婚指輪…。



「おいおい、泣くなよ…」



「ゴメン、嬉しくて…」



あたしは涙を拭いて、笑顔を見せる。



「刹那ッッ。
絶対あたしをお嫁さんにしてね?」



えへっと笑えば、刹那は再びあたしを押し倒し、強引にキスをする。



でも、余裕がない刹那も
すました刹那も
意地悪な刹那も
強引な刹那も



ぜんぶ全部



「だいすきっ!」



ギュッと刹那を抱きしめる。



別に答えなんか期待して無かった。



でも嬉しかった。



「俺は、愛してる」



キスを注ぎながら、そう呟いてくれたことが。



「あたしもっ」



まるでイヴの魔法に掛かったような、甘い時間。



刹那、幸せでいようね?



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