イヴの魔法~無関心な彼が甘くなる瞬間~
「はい」
まさか、式場がグアムってのは想像出来なかったな。
さすがに、クリスマスは日本では寒い。
そう言って、刹那が用意してくれた。
門の前に立ち、前を見据える。
「ねぇパパ?」
「ん?」
「今までありがとう。
今、凄く幸せだよ」
「日和、これからも幸せにな」
パパの言葉に、うんと頷く。
そして、ゆっくりと門が開く。
ここからじゃ、刹那の表情は見えないけれど、確かにあれは刹那だ。
2年経って、随分かっこよくなった刹那。
余計にあたしをドキドキさせる。
ゆっくりと進み、父から夫へ…
「せっくん。
日和を、娘をよろしくな」
パパ、せっくんじゃ締まらないよ…。
でもパパらしい。
「勿論です。
日和はおれの手で幸せにします」
そう言って、あたしの腕を取り、歩き出す。
「綺麗じゃん」
刹那のストレートな言葉に、転びそうになる。
「っだせぇ」
「五月蝿いなぁ」
そう言いながらも、にやけてしまう。