イヴの魔法~無関心な彼が甘くなる瞬間~
そんなぁー。
でも冬休み来るのは嫌だから、あたしは補習をすることにした。
勿論、刹那には謝りメールをして。
だから、勉強に集中しちゃってて、気付かなかった。
刹那が迎えにきてくれてたなんて。
***
勉強は、なんだかんだ優しい悠希が教えてくれたから、なんとかなった。
まぁ、刹那が教えてくれたら、一瞬で覚えるけど。
だって、名前が刹那だし…。
「ほら、ひよこ!
早くしろよ!!」
「だからぁ、日和だってば!!」
靴箱で靴を交換しながら、悠希の背中を押す。
「って!!
あぶねーだろが!!」
怒る悠希をよそに、あたしは歩き出す。
12月の空は、5時でも暗い。
「送るか?」
んー…危ないしなぁ。
でもなぁ…
悩んでると、自転車を止める悠希。
「訂正。
送られろ」
「えっ何?…きゃっ」
悠希は、あたしを自転車に乗せて、スピード全快で走り出す。
「ちょっ、早いってー!!」