イヴの魔法~無関心な彼が甘くなる瞬間~
家につくと、調度刹那が家を出て来る。
あたしは悠希の自転車を下りて、鞄を受け取る。
「あ、櫻井先輩」
なんとなく気まずさを感じているあたしをよそに、悠希はズカズカと刹那に近付く。
刹那は、チラッと悠希を見ると、フッと笑った。
………笑った!?!?
刹那の笑みに驚いていると、刹那はあたしに近付く。
「ひよこの送迎お疲れ様」
……送迎。
つーかっ!!
「ひよこじゃない!!日和!!」
ムッとして刹那を見るけど、そんなの意味なくて。
「んじゃ、またな!」
悠希は、あたしの頭を撫でると、自転車でさっていった。
残されたあたし達。
怒るかなって思った。
だけど、
さすが無関心ボーイ。
あたしを見ることなく、
どこかに出掛けて行った。