あの花を何度でも愛そう




「この子には、元気に育ってほしいなあ」



退院して家に戻り、ゆりは幸せそうに子供を見つめている。


当分家事は僕の役目なので
皿洗いをしながら僕は「うん」と応える。




「名前がまだないんだから、呼びにくいよね!とりあえず幸子って名前にしようよ」


僕はネーミングセンスの欠片もないゆりを見て、「勘弁して」と言った。



「いーじゃん幸子。幸せになる子と書いてー、さっちゃん」


確かにいいけど古いし可哀想だろ!


でもゆりには逆らえない。
あのニコニコの笑顔に僕はやられっぱなしだ。



「……わかった。幸子(仮)ってことで」






そんなわけで、幸子仮は今日から相澤家の一員となった。




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