あの花を何度でも愛そう




保健室へ駆けつけると、すでにゆりはいなかった。



「都(みやこ)さんは先に病院へ行ったわ。あなたたちも行くでしょう?」


保健室の先生がそう告げた。




どうやらみんこは先に行ったようだった。


病院…。


少し、目眩がした。


"あの頃"を思い出した。





「…一哉。大丈夫か」



真っ青な顔の僕を見てせりくは声をかけた。



「ああ…」


僕はなんとか相槌をうったが、なにも考えられなかった。





僕達は保健の先生の車に乗り
病院へ急いだ。




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