あの花を何度でも愛そう




『おかしーな。かくれんぼにそんな本気出すなんてゆりもなかなかだな』


せりくがそう言う。
するとみんこは笑った。


僕は本気で心配になり、辺りをぐるりと見回した。


すると、信じられない光景がそこにあった。


思わず口から声が漏れた。




『あ…』




儚く揺れるたくさんすみれ畑。

そこには
目を閉じたゆりがいた。




頭から血を流して。





近くにゆりの履いていたサンダルが転がっていた。





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