あの花を何度でも愛そう




「今日何日?」

「10月10日」

「お肉の日だー!」

「肉の日は2月9日だろ」

「違うよう!今日はお肉がじゅーじゅー焼ける日なんだよ!!」


"全くいちやはわかってないなあ"とゆりに叱られながら、
僕はグラウンドを見た。

サッカー部や陸上部の奴等が汗水流して頑張っているのを見ながら、ちらりと校門を見た。


「あ。みんこ」
「え!どこどこ!?」


知らないスーツの男。
黒光りした車。
乗り込むみんこ。


「みんこ、なにしてるのかな」

「あれが誰か知ってるか?」




僕が聞くと、ゆりは首を横にぶんぶんふった。



黒くて長い髪が僕の頬を打つ。


「痛い」


僕は頬を押さえながら俯いた。


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