あの花を何度でも愛そう




「え!ごめんね!」

ゆりはそういって顔を近づけた。

「嘘。ひっかかった」


僕はそう言って顔をあげてゆりにキスした。


夕焼けの放課後、少しロマンチックで、女子が喜びそうなシチュエーション。


唇を離すと、ゆりは顔を真っ赤にして、「ちゅーって、恥ずかしいね」と林檎になった顔を両手で隠すようにおさえた。


僕はゆりの照れた顔が可愛くてつい笑ってしまった。




でも、
あの男の人は誰なんだろう。
みんこが最近元気がなかった理由はその男が関係してるの?


僕の頭の中はそんなことばかりだった。




< 60 / 206 >

この作品をシェア

pagetop