あの花を何度でも愛そう
「え!ごめんね!」
ゆりはそういって顔を近づけた。
「嘘。ひっかかった」
僕はそう言って顔をあげてゆりにキスした。
夕焼けの放課後、少しロマンチックで、女子が喜びそうなシチュエーション。
唇を離すと、ゆりは顔を真っ赤にして、「ちゅーって、恥ずかしいね」と林檎になった顔を両手で隠すようにおさえた。
僕はゆりの照れた顔が可愛くてつい笑ってしまった。
でも、
あの男の人は誰なんだろう。
みんこが最近元気がなかった理由はその男が関係してるの?
僕の頭の中はそんなことばかりだった。