あの花を何度でも愛そう





ゆりは涙を堪えて
そう言った。

でも堪えきれずに
ついには涙を流した。




僕達は、ゆりのいきなりの告白に目を見開いた。



あと…1年…?


僕達はゆりの体を蝕む病原体を、軽く思っていたことを知らされた。



みんこは、『ごめんなさい』と繰り返し、静かに泣いた。
腕で涙を擦りながら。


その腕には痛々しい傷が残されていた。




すると、
叫んだり泣いたりドタバタしたりしていたからか
階段をドンドンと昇る音が聞こえ、みんこの部屋のドアが勢いよく開いた。




「うるさいんだけど」





そこには、みんこの母親がいた。







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