あの花を何度でも愛そう




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ざわざわとしたいつもの教室。

僕達はいつものように
窓際のせりくの席に集まっていた。





「春が…近いねえ…」


ゆりは外を見つめ、
窓に肘をついてため息をついた。




あと2ヶ月もすれば4月で
僕達は大学生になる。

とくにゆりみたいな脳内小学生が大学生なんて
時が経つのは早いものだと実感した。




「春になったら、お花畑に行きたいな
。ゆりね、名前はゆりだけど、好きなお花は向日葵なの」



ゆりは幸せそうに語った。

そんなゆりを見て、せりくは懐かしむような目でこういった。

「そいや…。俺の母さんも
向日葵が好きだったな」



僕達はハッとした。





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