波乱のクリスマス・イブ
狭いシングルベッドの上で密着する、二人の体。
私は、
「もう…愁の馬鹿ぁ……っ!!」
驚かせないでよ、と口では罵りながらも
また溢れそうになる涙を、必死でこらえた。
ギュッと目をつぶり、愁の広い胸に顔を埋めれば、聞こえてくるのは愁の心音。
そして実感したのは、愁への『愛しい』って気持ち。
「………っ、しゅう……」
私は、目尻に浮かんだ涙を拭いて上を見上げると
「メリー、クリスマス……っ」
そう呟いて、瞳を閉じる。
自然と重なった唇は
柔らかくて、優しかった。