波乱のクリスマス・イブ
『ほんっとーに悪い!!』
電話の向こうで必死に謝っているのは、彼氏である宮沢愁。
同じクラスの爽やかイケメン君…というのは仮の姿で、その本性は俺様な肉食獣。
なんだけど、
『ごめん、瑠美……』
今回ばかりは、いつもの俺様も封印みたい。
謝ってくれてるし、少しは許そうかな、なんて思うけど…
「もういい、馬鹿っ!!」
……やっぱり、許せない!!
電話口へ叩きつけるように叫んだ私は、そのまま携帯の電源を切ってしまった。
そのまま、肌寒い6畳一間の部屋で立ち尽くす。